「赤の他人」はなぜ青でも黒でもなく赤? – 言葉の由来

「赤の他人」はなぜ青でも黒でもなく赤? – 言葉の由来

関わりのない人、例えばお父さんの一人息子の母の友達の知人のお客さんなんかを「赤の他人」などと言ったりしますが、なぜ「赤の」他人でなんでしょうか。

赤の他人って、人が赤いだけで怖いのに他人とかめちゃくちゃ怖いじゃないか!

クールな青の他人とかちょっとえっちな桃色他人とか、いっそゲーミング他人でよくない?

「赤」の由来

実は「赤の」他人の由来には諸説あります。

なかでも広く知られているのが、「赤」には「あきらかな」「まったくの」「すごく」など強調の意味がある説。

赤の他人=あきらかな他人 / まったくの他人 / すごく他人、ってわけですね。

色ではなく強調の意味で赤が使われる例では、たとえば「真っ赤な嘘」「赤っ恥」などがあります。

こちらはあきらかな嘘、すごい恥って意味ですね。

仏教用語「閼伽」からきた説

次の説が、仏教用語の閼伽(あか)が由来する説。お供えする水を閼伽と呼びます。

閼伽の語源はサンスクリット語の「アルガ」で、「価値のあるもの」を意味し、転じて「客をもてなすために使う貴重な水」といった意味を持つようです。

そこから、お客さんのように気心の知れない相手に使うようになった、って説ですね。単純に水のように冷たい関係の他人を意味する説もあるようです。

ちなみに、英語で水を意味するアクア(Aqua)もサンスクリット語のアルガが語源。豆知識。

「あきらか」が縮まった説

ほかにも、「あきらかな他人」が縮まって「あかの他人」となり、「あか」に赤の字をあてたとする説もあります。

最初に「赤」には「あきらかな」と強調する意味がある説をご紹介しましたが、こちらも「あきらか」とと関係しながら由来としてはちょっと違いますね。

最初にご紹介した赤には強調の意味がある説や閼伽の説に比べると説得力に欠ける気もしますけど、本家の言葉が使われず縮まったり略語が主流になることはよくある話なんですよね。チューハイとか切手とか。

まとめ:「赤の他人」の「赤」の由来

結論、「赤の他人」がなぜ赤いのか諸説ありですが、どの説もなかなか面白いですね。言葉の由来を掘り下げるの楽しい。

しかし言葉の意味は年月を経て変わるもの。

やっぱり派手にゲーミング他人でいいのでは!?

文字カテゴリの最新記事