バックパック、リュックサック、デイパックの違い

バックパック、リュックサック、デイパックの違い

結論からいえば、バックパックとリュックサック / リュックサックは同じものです。

特別細かい分類が定義づけられているわけではなく厳密な分類もありませんが、ある程度一般的な使われ方での分類のイメージも解説します。ついでにデイパック、ナップザックの違いについても。

伝わった言語の違いで基本的には同じもの

普段使いに適したカジュアルなリュックサック

バックパックもリュックサックも基本は同じもの。

バックパックもリュックサックも同じ意味で、両型で背負うバッグを指す言葉です。バックパックやリュックサックに比べると馴染みがないかもしれませんが、日本語では「 背嚢 」です。

同じものなのになぜ違う言葉が存在するかといえば、外来語として伝わった国と経緯が違うため。

バックパックはアメリカから伝わった英語Backpack語源。一方、リュックサックはドイツ語のRucksackが語源です。本来はルックザックですが、英語風に読んでリュックサックと呼ばれるのが一般的です。「 ザック 」はこのルックザックを略した言い方です。

厳密な意味では誤用?

主にバックパッカーが使うバックパック

こうした大型アウトドア系のリュックはバックパックと呼ぶのが一般的。

ただ、バックパック、リュックサックが生まれた経緯や歴史的に照らしてみれば厳密にはどちらも誤用といえます。

バックパック【backpack】の解説

アルミ枠にコットン製の袋のついたリュックサック。バックパッキングに用いる。
goo辞書 リュックサックより

リュックサック [4]【ドイツ Rucksack】
登山などに行くとき、荷物を入れて背負う袋。ルックザック。リュック。ザック。

goo辞書 リュックサックより

しかし現代では上記のような厳密な意味で使われることはあまりありません。

バックパックはアルミ枠にコットン製の袋がついているものとは限定されませんし(むしろそんな製品ある?)、リュックサックも登山に行く時に使うとは限りません。むしろ近頃では通勤などタウンユースでも大いに活用されています。

コンクリートジャングルに行くって意味では、「 登山などに行く 」と言えなくもありませんが……

一般的な使い分け

デイユースの小型のリュックサック=デイパック

こういったタイプはどちらかといえばリュックと呼ばれ、バックパックとは呼ばれない。

とはいえバックパックとリュックサックが完全にイコールとして使われているわけではありません。

現状では

  • バックパックは登山やバックパッカーが使う大型アウトドア用リュックを指す
  • リュックサックはバックパックも含め、両肩で背負うバッグ全般を指す

使い分けが一般的になっています。言葉としてハッキリと定義されたわけではなく、あくまでもイメージ的な使い分け方ではありますが、背中で背負うバッグはすべてリュック、リュックサックで、バックパックはリュックサックの一種でバックパッカーや登山で使うアウトドア用のリュック、といった扱いです。

バックパックをリュックと呼ぶ分にはあまり違和感がありませんが、通勤や通学で使うような非アウトドア系のリュックサックをバックパックと呼ぶことはあまりありません。

デイパックはバックパックの小型版

日帰りハイキングなどに最適なデイパック

小型のバックパックを特にデイパックと呼ぶことも。

デイパック(Daypack)は軽いハイキングなどの用途で使われる比較的小型のリュックを指します。日帰りで使うことを想定したため”デイ”パックと名付けられました。

大型のバックパックは大荷物になりがちな本格的な登山やバックパッキングにはうってつけですが、軽いハイキング用途にはいささか大きすぎます。そこで軽いハイキングなど日帰りで使えるような小型のリュックが開発され、デイパックとして登場したのです。

デイ パック [3]【day pack】
ハイキングなどに用いる小型の背負い袋。

三省堂 大辞林 第三版(weblio辞書)より

もともとはバックパックの小型版として、つまりアウトドア用途として生まれたデイパックですが、その使い勝手のよさからカジュアルなスタイルでの通勤や通学など日常的にも使用されるようになりました。そのため、アウトドア色が薄いものでもリュック全般をデイパックとして扱う向きもあります。

なお、デイパックはバック“パック”と同じくデイ“パック”。Day“Pack”なので、デイ“バッグ”(Daybag)と発音するのは誤り。

あと、バッグの言い間違いで多いバック(Back)も違うので注意。デイバックでもデイバッグでもなく、デイパックです。

おまけ:ナップザック

ナップザック(Knappsack)はリュックサックと同じくドイツ語由来の言葉。アメリカでバックパックという言葉が生まれるまで使われていた言葉でした。

そういう意味ではナップザック=バックパックと捉えて構わないようですが、日本では上部の口を肩紐兼口紐で絞ることができる袋状のリュックや、子ども用の小さめのリュックを指す場合もあります。

まとめ:バックパック、リュックサック、デイパックの違い

  • リュックサックはドイツ語、バックパックは英語を基にした言葉で、基本的には同じ両肩に背負うタイプのバッグを指す
  • 現代日本では一般的にバックパックはアウトドア用の大型のものを、デイパックは似たタイプで比較的小型のものを指す
  • 一方リュックサックはバックパックもデイパックも含め両肩に背負うタイプのバッグ全般を指すことが多い
  • ナップザックも基本的にはリュックサックを指す言葉だが、口を紐で縛るタイプや子ども用の小さめのデイパックを指すことも

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