ミルクティーとロイヤルミルクティの違い

ミルクティーとロイヤルミルクティの違い

暑い夏場は爽やかなアイスレモンティー、冬は暖かいミルクティー。

口当たりが柔らかくて暖かいミルクティーって、寒いほどほっとする美味しさがありますよね。

そんなミルクティーとロイヤルミルクティーには大きな違いがあること、ご存知でしたか?

淹れ方に大きな違いが

ミルクティーと読書

実はミルクティーとロイヤルミルクティーは似て非なるものです。

「 より高級な茶葉を使ったミルクティーがロイヤルミルクティー 」ってイメージあるかと思いますが、実のところ紅茶の茶葉は関係ありません。

実際、使う材料はミルクティーでもロイヤルミルクティーでも同じで、

  • 紅茶の茶葉
  • ミルク
  • 水(お湯)

の三つ。実は材料ではなく紅茶としての淹れ方に大きな違いがあります

ミルクティーの淹れ方

紅茶ポットとストレートティーイメージ

紅茶に牛乳を混ぜたものがミルクティー。

簡単にいえば、ミルクティーは紅茶に牛乳を混ぜたもの。

通常、ミルクティーはお湯で茶葉を煮出した紅茶に温めたミルクを注いで混ぜます。

21世紀初頭までの長い間、イギリスのみならず世界的に「 カップに注ぐのはミルクが先か紅茶が先か 」が1世紀にも渡り長らく議論されきました。

が、2003年頃に本場イギリス王室がミルクティーを淹れるときミルクインファースト、つまりカップには牛乳を先に淹れていると公表し議論に終止符が。

(当時、たけのこの里 vs きのこの山論争にも皇室が答えを出してくれるかもと希望をもたらせたニュースと私の中で話題沸騰でした)

牛乳を先に入れることで、熱によるタンパク質変化を抑え味や口当たりをさっぱりさせる目的があるそう。イギリスではミルクティーは食べ物と一緒楽しむものですから、どちらかといえばさっぱりな味わいが好まれるのかもしれません。

ロイヤルミルクティーの淹れ方は牛乳で煮出す

ミルクティーと茶菓子、読書イメージ

ロイヤルミルクティーは温めた牛乳で煮出す。

一方、ロイヤルミルクティーはお湯だけでなく温めた牛乳でも茶葉を煮出すところに大きな違いがあります。

少量のお湯で茶葉を出したあと温めた牛乳を入れ、さらに煮出すのが一般的(最初から牛乳を入れた状態で煮出すことも)。

温めた牛乳で煮出すことでロイヤルミルクティーのあの芳醇で濃厚な香りと味わいが生まれるのです。

実はロイヤルミルクティーは日本発祥の紅茶。京都三条にできたリプトン日本一号店で生まれたとされています。

しかし海外にも牛乳で煮出したミルクティーを指すStewed tea(シチュードティー)という言葉もあり、もともと海外で飲まれたとする説も。

ただ、紅茶の本場イギリスでは牛乳を使って茶葉を煮出すロイヤルミルクティー / Stewed tea(シチュードティー)を飲むことはあまりありません。

先述の通りイギリスでは紅茶に牛乳を混ぜるミルクティーとして飲むことがほとんどです。

スパイスを混ぜる点や甘い点に違いがありますが、インドのチャイも似た淹れ方をします。チャイもおいしいですよね。甘い紅茶が飲みたいときにピッタリ。

豆知識:ミルクティーは和製英語、海外では通じない

実のところ日本で生まれたのはロイヤルミルクティーだけでなく、「 ミルクティー 」という言葉も日本で生まれた和製英語。

アメリカや紅茶の本場イギリスなどの英語圏ではMilk Teaではなく「 Tea with Milk 」と言います。海外に行く機会のある方は注意。

なお先ほども触れましたが、ロイヤルミルクティーも和製英語。海外ではStewed tea(シチュードティー)と言います。

豆知識2:ミルクティーの歴史

ご存じの方も多いかと思いますが、中国茶や日本でよく飲まれる緑茶、ヨーロッパでよく飲まれる紅茶もすべて同じお茶の葉から作られます。

銘柄などの違いなどはあれど、もとをたどれば基本は同じ植物です。お茶っ葉の発酵具合によって淹れたときのお茶の色、味、香りが変わっています。

もっともお茶を飲む文化が生まれたのは中国で、その歴史は紀元前。

そんなお茶をいまの紅茶の本場イギリスへ持ち込んだのは17世紀、キャサリン王妃。もともとポルトガル人だったキャサリン王妃はイギリス王室へ嫁ぐ際、慣れない環境での健康への不安から当時薬とされていたさまざまなものをイギリスへ持ち込みました。

その中にお茶と砂糖が含まれていたのです。そしてイギリス王室でもお茶が流行。当時はまだ中国茶に近いもので薬のような扱いでしたが、キャサリンが一緒に持ち込んだ砂糖を入れることでぐんと飲みやすくなり、一種の嗜好品へ昇華。

当時ポルトガルは植民地としていた領地内で砂糖を栽培できていましたが、原料となるさとうきびは気候の関係でイギリスを含むほとんどのヨーロッパ地域で栽培できない高級品。銀と同等の価値があったとされています。

そうしてお茶を飲むことは一種のステータスとして王室や貴族らの間で流行します。その後、イギリスにはより発酵の進み、苦みや渋みのもとであるタンニンを多く含んだ茶葉、いまでいう紅茶が輸入されるようになります。

その渋みや苦みを和らげるために牛乳を入れて飲むようになったのがミルクティーの発祥とされます。

そしてミルクティーは徐々に王侯貴族だけでなく市井でも広く飲まれるようになり、いまや紅茶大国のイギリスでもっとも愛されるお茶となりました。

まとめ:ミルクティーとロイヤルミルクティの違い

  • 紅茶と牛乳を混ぜるミルクティーに対し、ロイヤルミルクティーは温めた牛乳に紅茶の茶葉を浸して煮出す。
  • ロイヤルミルクティーは海外ではStewed tea(シチュードティー)という。
  • 紅茶の本場イギリスではロイヤルミルクティーではなく後から混ぜるミルクティーが一般的。

私も初めはかと同じもので商品名的なものかと思っていたのですが。コタツでみかん、そしてミルクティー。最高です。

ちなみに私はロイヤルミルクティーが好き。

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