スピーカーがにスマホをつないでみたけど音が鳴らない、なんて経験をお持ちの方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
それ、実はアンプとスピーカーの違いによるものです。
アンプとスピーカーはまったく別物
そもそも、アンプとスピーカーは役割が違うまったくの別物です。
アンプとはアンプリファイア(Amplifier)の略で「増幅器」を意味し、音の信号を増幅する回路、パーツを指す言葉。
スピーカーは自身が振動し空気を震わせることで音の信号を実際の音として出力する部品。もしくはスピーカーユニットが取り付けられたスピーカーボックスなどを指すのが一般的。
本来、両者は役割がまったく異なるものなのです。
が、スピーカーボックス内にアンプを内蔵した一体型の製品、いわゆるコンボアンプが一般的になり、その見た目からスピーカー=アンプという図式が出来上がっています。
スピーカーが大きいほどアンプが重要に
スピーカーユニットが大きいほどにアンプの重要性が増してきます。
小さなスピーカーユニットなら別途アンプを用意せずともスマホや各種プレイヤーを直接つなぐだけで音が出せます。例えば有線のイヤホンとかヘッドフォンとかがその最たる例ですね。イヤホンやヘッドフォンのスピーカーユニットはごく小さいので、別途アンプを用意せずとも音を鳴らすのが簡単。
しかし、スピーカーユニットが大きくなってくると音の信号にもある程度のパワーが必要になってくるのです。
なので、ある程度の大きさを超えるスピーカーユニットを鳴らすには間にアンプを噛ませる必要が出てきます。もしくはアンプ内蔵のスピーカーボックスが必要。
ちなみにアンプを内蔵したスピーカーボックスを一般的には「アンプ」と呼びます。それでアンプ=スピーカーと思い違いされがちなのです。
プリアンプとパワーアンプ
さらにいえば、アンプも役割によってプリアンプとパワーアンプに分けることができます。
プリアンプは音を整えることを主目的としたアンプ。パワーアンプは信号をスピーカーが駆動できるまで大きくすることを主目的としたもの。
パワーアンプで信号を大きくする前にプリアンプで音を整えるので「先に」を意味するPreがついてPre-Amplifier、略してプリアンプです。音質を変えられる意味ではスマホも一種のプリアンプといえます。
一方のパワーアンプはそのまま、信号にパワーを持たせて大きくするのでパワーアンプです。
プリアンプ、パワーアンプも一体になっているモデルが多いのであまり気にしなくても大丈夫なケースがほとんどですが、音質にこだわる人はプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーボックスをそれぞれ好みに合わせて用意することもあります。
なお、アンプをかませずスマホやCDプレイヤーなど各種プレイヤーを直で鳴らせる場合でも、別途プリアンプをかませることでよりハイファイな音質で音楽を楽しむことができます。
絶対必要なわけではありませんが、アンプがあればより良い音になることもあるので、こだわりたい方は試してみてもいいかも?
最近はお手頃価格でスマホ用のアンプなんかも出回っていますし。
ギターアンプ・ベースアンプ・エフェクター
エレキギター・ベース用で使うギターアンプ・ベースアンプも基本的な構造は同じで、プリアンプ、ベースアンプ、スピーカーの3ブロックに分かれています。ほかキーボードアンプなど楽器用アンプは大体そう。
オーディオとの違いはアンプ部分、特にプリアンプ部分でそれぞれ楽器の音響特性に合わせた周波数やサウンド調整がなされていることでしょうか。
自宅で使うような小さめのアンプからライブで使うような大型のアンプまで、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカーすべてが一体型になったコンボアンプが特に人気で種類も多いですね。
ただ、ライブハウスなどではスピーカーキャビネットと、その上におくプリアンプとパワーアンプが入りのヘッドアンプが別になった大型のスタックタイプのアンプもよく見かけます。
簡単に言ってしまえば、Roland JC120 通称ジャズコはコンボアンプ、Marshall JCM800がスタックアンプ。
いつか自宅にスタックアンプ置いてみたい。憧れですよね。小型のもあるっちゃあるけど。
いずれにしても「アンプ」部分はプリアンプとパワーアンプはセットになっているものがほとんどです。
ちなみに、エフェクターはある意味ですべて「プリアンプ」といえます。
まとめ:アンプリファイアとスピーカーの違い
- アンプは「アンプりファイア」の略で、増幅器を意味し、音の信号を増幅する回路、部品を指す
- スピーカーは音の信号を空気の振動に変える装置
- アンプが音の信号を増幅して大きくし、スピーカーを震わせて音に変えている。
- アンプ内蔵型のスピーカーボックスを一般的に「アンプ」と呼ぶことが多いため混同されがち
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