あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかえ うれしいな
雨の日にはつい口ずさみたくなる童謡、雨ふり。その一節にある謎の単語「 ジャノメ 」ってなにかよくわからないで歌ってる方がほとんどだと思います。
ミシンか?ミシンなのか? 母がジャノメミシンに乗って迎えにくるのか? 昔のミシンには原チャリ機能でもついてたのか???
そんなわけないですよね。ならかあさんが持ってくる「 ジャノメ 」とはなにか。
ジャノメ=蛇の目傘
ジャノメ=蛇の目柄の和傘。
お母さんが迎えに来てくれるジャノメとは蛇の目柄の和傘を指しています。
この歌詞は雨が降れば傘を持ったお母さんが迎えにきてくれるからうれしい、と地面に当たってはねる雨粒のように心を躍らせる子ども心を唄った曲だったんです。
蛇の目傘は昔日本で使われていた和傘の一種。洋傘やビニール傘がまだ普及する前、日本では伝統的な模様があしらわれた和傘が主流でした。
和傘のなかでも基本的には色の違う紙を使ったり色で塗ることで、傘の先端、開いたときに中央となる部分を中心に太い輪状に白・黒・紺・赤などで彩られる模様の傘を蛇の目傘と呼んでいたのです。
蛇の目柄の和傘。
ちなみに雨ふりが発表されたのは現ハースト婦人画報社が東京社として出版していた児童雑誌「 コドモノクニ 」の1925年11月号。
1925年といえば大正14年。当時の日本ではまだ和傘が多く使われていたか、もしくは作詞の北原白秋さんが思い出にある、雨の日の風景を描いたのでしょう。
それで、歌詞でも傘の代名詞として「 じゃのめ 」が使われたのです。
ちなみに和傘や蛇の目傘自体はいまでも販売されており、普通に手に入れることはできます。
こうしたちょっとしたアイテムで雨の憂鬱な気分を変えてみるのもいいかもしれませんね。
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