ところでみなさん、感電ってしたことありますか?
私は一時電気系を志していたのでそれなりに感電の経験がしたあります。
中でももっとも印象深いのは、高校生のころ。音楽室の壊れたコンセントからプラグを抜こうとして100ボルトで感電したこと。
初めて経験した、全身の毛穴がぶわああああって開く感触。(本当に開いてたかはわからないけど)
そのとき目についたのが窓の外で電線にとまる、小鳥のよゆうしゃくしゃくな姿。
「 ちくしょうなんで鳥は感電しないんだよ私はこんな苦しい想いしてるのにいいい 」
私が電気のことを勉強しようと思った瞬間でした。
感電するには電圧の高低差が必要
電線にとまっても感電しないのは小鳥だけではありません。
実は感電する条件として「 電圧の高低差がある2か所に触れる 」ことが必要。
例えば小鳥さんがとまっている電線が500ボルトだとしましょう。小鳥さんは500ボルトにしか触れていないので感電しないのです。
(※絶対感電しないとは限らないのでマネしないこと!)
では、身長5メートル以上の超ノッポなおじさんが散歩中、同じ500ボルトの電線におでこが触れてしまったとして。
おじさんは500ボルトの電線だけでなく地面の0ボルトとも接しているため、差分の電圧500ボルトが体を通過して感電してしまいます。
ただし、もしノッポおじさんが体の一部をどこにもつけずに電線にぶらさがったなら、500ボルトにしか触れていないので感電はしません。
小鳥さんと同じ状況です。懸垂をしようが大車輪でグルングルン回ろうがピヨピヨと小鳥さんの真似をしようが、電圧の違う場所に触れない限り大丈夫。(※絶対ではない)
じゃあもしここにおせっかいなオバチャンが現れて「 早まったらアカン! 」とノッポさんの足をつかんだとしたら?
500ボルト電線 → ノッポおじさん → おせっかいオバチャン → 地面(0ボルト)とつながるため、二人はめでたくゴールイン、500ボルトで感電します。
電線にぶら下がってしまったら
もし気を失って目が覚めたら電線にぶらがってた、なんてSAW的な展開に遭遇したら、とにかくほかの場所には触れないことです。
ほかに電気の流れていそうな電線があってもです。0ボルトである地面のほかにも、壁でもなんでもどこであれ電圧に高低差があれる感電します。
自身が1000ボルトの電線にぶら下がっていても、ほかに触れなければ感電しないのは先述の通り。
しかし、例えば手の届く場所に他の電線があったとして、その電線の電圧が300ボルトだったら?
乗り移ろうと左手で1000ボルトに触った状態でもう片手で300ボルトの方に触れると、1000ボルト-300ボルトで、右手と左手の間を700ボルトの電圧が駆け巡り感電します。
差分だけの電圧で感電するのです。
ただ、両方に接していなければセーフ。1000ボルトから手を離れた状態なら700ボルトの電線に触っても感電しません。
(※後述しますが、絶対感電しないとは限らないのでマネしないこと!)
直接触れていなくても感電することもあります!
しつこいくらい絶対とは限らないと警告をしている通り、直接触れないからって絶対感電しないわけではありません。
触れていないとはつまり、空気が抵抗になって高低差がある2種類の電圧間で、電気が通っていない状況。
が、直接触れていなくても距離・電圧・電流量など条件が揃えば、雷のように空気中を電気が走り感電します。
絶対に遊びで電線などにぶら下がったりしませんよう。
例え数ボルトでも死ぬときは死ぬ
なお、人間は数万ボルトの電圧でも耐えられることもありますし、たった数ボルトの電圧でも死ぬときは死にます。
電圧だけ気にしていればいいなんてものではないので注意しましょう。
お風呂に充電中のスマホ持ち込むとか自殺行為ですよ!
まとめ:電線に止まった鳥が感電しない理由
- 感電するには、2つの異なる電圧に触れる必要がある。
- 電線にとまっている小鳥やカラスはその電線の電圧にしか触れていないので感電しない。
- 電気が雷のように空気中を飛ぶ場合があるので、必ずしも触れなければ安全なわけではない。
- 絶対にマネしないください。
いつだったか、オランウータンだか猿だかが思いっきり電線を掴んでぶらんぶらんと移動しているニュースを見たことがあります。
あのとき、オランウータンも一本の感電を手繰って移動していたので感電していなかったように記憶しています。
イマイチ記憶にはないけど、そのあと、どこかさわって感電したんだったかな。とりあえず落ちて保護されたっていうところは憶えているのですが。
普通に生活していてそんなシチュエーションに陥ることはまずありませんが、もし電線にぶら下がってしまったらその電線以外の場所には触れない / 近づかないこと。
そして、リアルタイム感電している人をみかけたら、直接触れずに電気を通しにくい素材でできた長い棒などで感電している電源から離しましょう。
ただし、絶縁性を持つ素材でも電力の強さによって自身も感電するリスクがあります。(濡れていればなおさら)
判断は慎重に。
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